リールとロッドがなくても魚釣りは成立しますが、ライン(釣り糸)とフック(針)がなければ魚を釣り上げることは出来ません。
この記事では、魚釣りにおいて重要な役割を果たすラインの種類や特徴を学んでいきましょう。
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好きな釣り:磯上物、底物、SWルアー
私が釣りを始めたのは20台前半と遅咲きの釣り人ですw
一箇所に通いつめるということができずに、半分旅行気分であっちこっちの磯に行くの好きです。
おかげで全く釣果には恵まれず、磯の上でグータラしてばかりです。
釣技は全くダメですが、釣具の査定は絶対的な自信を持ってます。
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目次
ライン(釣り糸)の歴史
旧石器時代から魚釣りはされていたようですが、現代のような細くて透明なラインはあるわけもありません。
では、いったいどのようなものを使って釣りをしていたのでしょうか。時代背景に合わせて、用いられている釣り糸を見ていきましょう。
絹
絹とは皆様もご存知のシルクです。シルクといえば着物やドレスなどに使われるため高級なイメージがありますよね。シルクの発祥は中国であり、上質な素材でできたシルクは高値で取引され、ヨーロッパまでの道のりをシルクロードと呼んでいます。
そんなシルクもそのままの素材では耐久性が低く使い物になりませんでした、そのため釣り糸に使う場合は樹皮で染めた「管糸」か塩水に浸しシルクのゼラチン質を除去して柿渋で染めた「マガイ糸」にして使われていたそうです。なかでも「マガイ糸」は使いやすく最近まで使われていたそうです。
葛
葛は日本中の山に自生する植物です。蔓植物と似ており茎が長く、木や家などに巻きついているのをよく目にします。
引っ張ったことがある方はわかると思いますが、その茎はなかなかの耐久性があり簡単に切ることはできません。葛の繊維は柔軟で扱いやすく強いですが、取れる量が少なく葛でできた布や着物は高価で取引されています。
釣り糸として用いられていた地域は一部のようで、その釣り糸のことを「ハツダ」と呼ぶそうです。
馬の尻尾
現在ではあまり馴染みのない馬ですが、江戸時代では生活の一部である上、製紙技術の低さから馬の尻尾を釣り糸して使っていたようです。
現在でも馬の尻尾の毛は「馬素」と呼びテンカラ釣りで用いられているようです。
人髪
江戸時代に裕福な人々(殿様、商人など)が芸者を侍らせ酒を飲みながら優雅に釣りを楽しんでいたようです。その時に女性の髪の毛を釣り糸として使ったいたようです。当時流行っていた釣りはタナゴ釣りで、竿は金銀細工を施した豪勢な和竿、いかに豪勢な道具でタナゴを釣り上げるか、これが粋だったようです。
テグス
ナイロンラインやフロロカーボンラインのことをテグスという人がいますが、実は全く別物の釣り糸の名称です。
テグスとは、「樟蚕(くすさん)」という蛾の「絹糸腺(けいしせん)」という糸を作る器官から作られた釣り糸の名称です。戦後ナイロンなどの合成繊維が釣り糸として使われてますが、合成繊維が使われる前は釣り糸といえばテグスが用いられてました。
ラインの種類と特徴
ラインにはどんな種類があり、どんな特徴を持っているのでしょうか。
一般的なラインから、珍しいラインまで見ていきましょう。
ナイロンライン
ナイロンラインとは釣りにおいて最も一般的なラインです。名前の通りナイロン素材でできています。
ナイロンラインのメリット
・価格が安価
・柔らかくしなやかであることから、初心者でもトラブルが少ない
・比重も軽く、伸びがあり魚がバレにくい
・しなやかなことから抵抗も少なくルアーがよく飛ぶ
ナイロンラインのデメリット
・ナイロン素材のため水を吸収しやすく劣化が早い
・紫外線での劣化
・伸びがあることでアワセが決まりづらい
・摩擦などの熱に弱い
フロロカーボンライン
ハリス、仕掛け、バスフィッシングでは一般的なラインです。ポリフッ化ビニリデンを素材とするラインです。
フロロカーボンラインのメリット
・耐摩耗性が高い
・素材が硬く感度がいい
・ライン自体が重たいため、水流や風の影響を受けづらい
フロロカーボンラインのデメリット
・ナイロンラインに比べ価格が高い
・硬い素材のため、糸癖がつきやすくトラブルが起きやすい
PEライン
PEラインとはポリエチレンでできており、極細の糸を編んでできたラインです。名前の由来もPolyethyleneから来ています。4本や8本で編んであるものが一般的で、編数が多いほど価格が高くなっていきます。
PEラインのメリット
・伸びがなく感度がいい
・軽く圧倒的な飛距離を出せる
・強度が強い(同じ太さのナイロン、フロロカーボンラインと比べ2倍以上の強さ)
PEラインのデメリット
・価格が高い
・軽いために、水流や風の影響を受けやすい
・結束強度が低い
・結ぶのが面倒
エステルライン
PEライン同様、名前の由来はPolyesterから来ています。最近では各メーカーから発売されていますが使ったことがある人は少ないのではないでしょうか。メバリングやアジングなどでは定着しており、エリアトラウトでも用いられています。
エステルラインのメリット
・比重が軽く、ナイロン、フロロカーボンラインよりも飛距離が出る
・伸びがなく感度がいい
・比重が高く水のなじみがいい
エステルラインのデメリット
・切れやすい
・ライントラブルが多い(バックラッシュ)
・扱いが難しい
・リーダーは必須
メタルライン
メタルラインと聞いてピンと来る人はかなり釣りに精通している人ではないでしょうか。メタルラインとは形状記憶合金を素材とした、鮎釣りの水中糸として開発されたラインです。
メタルラインのメリット
・根ズレに強い
・超高感度
メタルラインのデメリット
・価格が高い
・結束が面倒
・比重が重いため沈みやすい
ステンレスライン
名前の通りステンレスでできており、PEラインのように極細のラインを結束しできています。7本~49本撚りが一般的で主に石鯛、クエなどの底物釣りで使用されるラインです。
ステンレスラインのメリット
・圧倒的強度
・根ズレに強い
・切れにくい
ステンレスラインのデメリット
・結束に専用の工具が必要
・根掛かりを外すのが一苦労
銅ライン
根掛かりなどで海中に沈んでしまっても、錆びやすく地球環境に優しいラインです。
底物釣り用のハリスワイヤーとして使われています。
銅ラインのメリット
・錆びやすく環境に優しい
・柔らかく扱いやすい
銅ラインのデメリット
・ステンレスに比べ弱い
・キンクしやすく、キンクすると切れやすい
・錆びやすく、物持ちが悪い
普通に釣りをしていても耳にしないラインがいくつかありましたね。
特にメタルラインやステンレスライン、銅ラインは知らなかった人も多いのではないでしょうか。
続いてはラインの使い分けを紹介します。
ラインの使い分け
特徴は理解したけどどう使い分ければいいのでしょうか。
ズバリそれは『何をやりたいか』です。
ナイロン、フロロカーボン、PEラインで重さの違いを見てみましょう。
水面でルアーを扱いたい場合は、比重の軽いナイロンラインやPEラインといった選択になり、底を探りたいのであれば根ズズレに強く、比重の重たいフロロカーボンラインを選択することができます。
扱いやすさも大事な点ではありますが、やりたいことをこなせるライン選びが最も重要になります。
応用としてラインを魚に見せないよう、ナイロンラインやPEラインを使用し浮力や表面張力を利用し、餌やルアーを送り込むフカセ釣りのようなこともできるようになります。
フカセ釣りでナイロンラインが好まれるのはこういった理由もあります。
それぞれのメリット、デメリットを理解することで釣りの幅や釣果に直結して来るでしょう。
ライン号数(太さ)の選び方
次はラインの太さの選び方です。ラインの使い分けと同様に太さを選ぶのは釣りにおいて重要な点です。太くなれば魚に見切られる、細くすれば魚は掛かるがが切れてしまう。
これは釣り人にとって最大のテーマです。ラインの太さ選びの基準や目安を学んでいきましょう。
ルアーフィッシングの場合、重たいルアーを扱うのに細いラインを使用するとキャスティング時の力により切れてしますことが多々あります。
最近ではラインの太さも細分化されており、よりベストなラインセレクトが可能となっております。
ラインの太さと強度を表した表がこちら↓
ラインの太さによって強度が微妙に変わっています。自分がどのラインを使いどれくらいの魚を狙って、どのような場所で釣りをしているのかを分かっておくのは、ラインセレクトでは大事な点だと言えます。
水中を泳ぐ魚は実際の重さよりも何倍もの力で泳ぎ、さらには水圧や障害物、ロッドの硬さ、ドラグの効き具合、結束部の強度ロスなど色々な問題が立ちはだかっています。
まずは切れないであろう太さをセレクトし、そこから障害物の状況や魚の大きさ、魚が食いついてくれる限界の太さを探しましょう。
まとめ
2.釣りをしている場所を知る
3.狙っている魚の大きさに合わせたラインセレクト
4.タックルに合わせたラインセレクト
この4つを基準にラインを選ぶことで、ミスも減り釣れる魚も増えると思います!