YouTubeなどを見ていると、渓流のルアー釣りで魚を簡単に釣りあげているのを見かけます。渓流ルアーフィッシングは、自然の中で釣りを楽しむことができるのが醍醐味です。渓流というとハードルが高そうに思えますが、実は初心者でも楽しめます。この記事では、初心者向けの渓流ルアーの特徴や選び方、使い分けについてまとめます。
投稿者プロフィール
初めて釣りにいったのが糸島にある某ヤマメの管理釣り場で、そこから渓流釣りに興味を持ちました。
小さい頃は祖父の自宅が山に囲まれていて渓流に入って直接魚を獲るようなアクティブな子どもでした(笑)
ダイワの某釣り番組が好きでよく見ており、経験は浅いですが知識は少しずつ蓄えています。渓流釣りだけでなく、様々な釣りジャンルの発信をしていきたいと思います。
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目次
渓流ルアーフィッシングとは?
渓流ルアーフィッシングとは、渓流でルアーを使って主にトラウトを釣ることです。具体的には、イワナ、ヤマメ、サクラマス、アマゴ(関西)などが主なターゲットとなります。管理釣り場以外に生息している、天然のマス類の個体をネイティブトラウトと呼びます。渓流ルアーフィッシングは、基本的にネイティブトラウトや放流してから時間が経った放流魚を釣るものです。
渓流ルアーフィッシング初心者向けフィールド
初心者向けのおすすめフィールドは、渓流釣りの経験があるかどうかで変わります。大きく分けて渓流釣りには3つのフィールドがあります。具体的には次の通りです。
●源流(最上流・高低差が大きい 人工物が近くにないレベル)
●渓流(源流から下流へと続く流域 高低差があって流れが速いところと流れが穏やかなところが交互に現れる)
●本流(川幅が10m以上ある 水深は深い)
もしも渓流の餌釣りの経験はあるのなら、源流域や上流域の規模が小さめのフィールドがおすすめです。餌釣りと重なるフィールドですし、釣れるポイントが多いのでチャンスも多くなります。
釣り自体初めてだったり、釣りの経験はあっても渓流は未経験であれば、本流~渓流域がおすすめです。足場が安定したところが多く安心です。また解禁日は場所により成魚を放流していることもあり、初心者でも楽しめます。
都市部でなければ、家や田んぼの近くの用水路でも釣ることができます。
釣れる場所は釣具屋さんで聞くのが一番です。あるいは行ける範囲で放流している漁協をチェックして問い合わせるのもよい方法です。
なお、魚種により生息する場所が多少違います。イワナは源流~渓流にかけて、ヤマメ・アマゴはイワナよりやや下った渓流から本流(中流)に生息しています。そのほか場所にもよりますが、用水路にはブラウントラウトがいることが多いです。
渓流で魚が居ついているポイント
ポイントとなる場所は次の通りです。
●淵(ふち)……流れの速い場所の下流側にあり、流れがゆるく川床がえぐれている場所
●トロ場……流れがゆるやかで、水深が腰~胸丈ぐらいある比較的底が平らな場所
●瀬……水深が浅く、速い流れが岩に当たっている場所
●落ち込み……ちょっとした高低差があり、岩の隙間から川の水が流れ落ちている場所
まずは、流れがゆるやかで水深のある淵と流れが速く浅い瀬とに大きく分けて地形を把握しましょう。その上でほかのポイントを意識するようにしましょう。
キャストする方向を意識する
渓流釣りはどちらからどちらへ向けてキャストするかが重要です。渓流魚はふつう頭を上流に向けて泳いでいます。ターゲットの上流・下流どちらからアプローチするかによって、キャストは大きく分けて次の3種類があります。
●アップストリームキャスト
●ダウンストリームキャスト
●クロスストリームキャスト
それぞれの特徴を表にまとめます。
<渓流釣りのキャスト>
キャストする方向 | 巻いたときのルアーの進行方向 | ルアーの水流との関係 | 魚から見たルアーの動き | |
アップストリームキャスト | 下流から上流へ向けてキャスト | 上流から下流へ | 流れに乗る | 正面から来て後ろへ通り抜ける |
ダウンストリームキャスト | 上流から下流へ向けてキャスト | 下流から上流へ | 流れに逆らう | 後ろから来て前へ通り越していく |
クロスストリームキャスト | 現在地から対岸へ向けてキャスト | 対岸から現在地へ | 横に流れを受ける | 真横~斜めに視界を通る |
ターゲットに気配を悟られないため、下流から上流に向けてキャストするアップストリームが渓流ルアーフィッシングの基本です。ルアーによって得意な方向があり、キャストに合わせたルアー選びやアクションの使い分けが必要になります。
ただしケースバイケースだったり意見が分かれる点が多くあるのも事実。基本を頭に入れておきつつ、そのフィールドで最適な方法を現地で探ることが一番です。
基本のルアーは3タイプ
基本となるルアーは、ミノー・スピナー・スプーンの3種類です。次にそれぞれの特徴を解説します。なお色と重さの定番は共通なので、種類別の解説のあとにまとめます。
ミノー
ミノーは小魚に似せた形のルアーで、今の渓流ルアーフィッシングの主流です。いろいろな種類があり、重さを使い分けると深さを選ばずオールマイティ―に使えます。「シンキングミノー」(ゆっくり沈む・渓流域向き)と「ヘビーシンキングミノー」(素早く沈む・深いところ向き)が渓流ルアーの定番で、とくにヘビーシンキングが人気です。その他、水に浮く「フローティングミノー」もあります。
おススメアイテム
シンキングミノー DUO スピアヘッドリュウキ 45S
ヘビーシンキングミノー スミス D−コンタクト
フローティングミノー ハンクル ザッガー50F1
形状としては、リップ部分が短い「ショートビル」と呼ばれるタイプが渓流のスタンダードです。潜りにくく小刻みに動く特徴があります。大きさは45~50mmが基本です。
キャストポイント
ヘビーシンキングミノーを使って、深いところ(渓流~本流、淵・トロ場)を狙うのが定番です。早春など活性が低いときには魚は深いところに居ついている傾向があり、出番が多くなるでしょう。
キャストの方向
ヘビーシンキングミノーは深場のアップストリームでとくに活躍します。浅いところの場合、アップストリームは流れに乗ってしまい泳がせにくくなります。流れより高速で巻かなければならず、魚がバイトする隙がなくなる場合もあります。
アクション
リールを巻きながら小刻みにしゃくる「トゥイッチング」中心に行います。
スピナー
スピナーは金属のブレードとオモリ・ビーズなどを組み合わせたルアーです。虫を模したとも言われています。「釣れすぎ」「最強」の声もあるほど、安定した釣果が期待できます。狙ったところにキャストしやすく初心者にも扱いやすいルアーです。
水の抵抗でブレードが回転し、光を反射させてアピールします。アピール力が強く、場合によっては不自然に見えて見切られるほどです。
糸ヨレしやすい弱点がありましたが、現在はスイベルを使って弱点が改善されているモデルもあります。
おススメアイテム
スミス(SMITH) ARスピナー トラウトモデル
キャストポイント
とくに浅いところ(源流~渓流、瀬・落ち込み)で力を発揮します。晩春や秋など活性が高いときには、流れてくる虫を求めて魚が浅いところにいます。
キャストの方向
アップ・ダウン・クロスのキャストの方向を選びませんが、方向により巻くスピードのコントロールが必要です。まっすぐ上流に投げるアップストリームでは、水流より速く巻いてルアーを泳がせます。ダウンの場合は浮き上がらないように、流れの速いところではゆっくり巻きます。上流にキャストするときは、対岸寄りの斜め上流に投げるアップクロスストリームも有効です。
アクション
流れよりちょっと早いぐらいの「ただ巻き」が基本です。ただ巻きの合間に時々巻くのをやめる「ストップ&ゴー」もおすすめです。
スプーン
スプーンは、食事用のスプーンのような金属板でできたルアーです。ヒラヒラした動きや、キラキラときらめくフラッシングが魚にアピールします。キャストしやすく巻くだけで釣れるので初心者にも使いやすいルアーです。
形状はいろいろな種類がありますが、中でも「コロラド」(食器のスプーンに近い)・「リーフ」(コロラドより細長い)などがスタンダードです。形によって水中でのアクションが異なります。いろいろ試してみて、その日・その場所の当たりを探るのも楽しみの1つです。
おススメアイテム
フォレスト(FOREST) ネイティブ アワビ
キャストポイント
深いところ(渓流~本流、淵・トロ場)を狙うのに適しています。深場でフォールさせたときのヒラヒラとした動きのアピール力が高く、ミノーでフォールさせるよりもバイトを誘うようです。深いところには、早春など活性が低いときに魚が潜んでいることが多くあります。
キャストの方向
水の抵抗を受けるとアクションが生まれるため、下流から上流に引くダウンストリーム向きです。ただしあまり速く巻くと浮いてしまうというデメリットがあります。注意しましょう。ほかには、クロスストリームで流れを横に受けてドリフトさせるのも有効です。
アクション
ダウンストリームで動きを活かすにはゆっくりめのただ巻きで狙います。上流に向けるアップストリームでは一般に水流より速く巻くのがよいとされています。ただし流れと同じか少し速いぐらいで流れに乗せるように巻く方法もあります。ただ巻きのほか、ロッドをあおってルアーを浮かせたりフォールさせたりを繰り返す「リフトアンドフォール」もアピール力が高い方法です。
ルアーの定番カラー
どのタイプのルアーも、定番の色はシルバー系(黒銀)とゴールド系(黒金・赤金)です。まずは定番の2色を用意しましょう。ゴールド系は活性が高いときや朝夕や曇天・水が濁っているときに向いています。シルバー系は昼間や水がクリアなときに釣果を出しやすいです。
おススメアイテム
ダイワ(Daiwa) シルバークリークミノー(シルバー系)
ティムコ シュマリ50FS(ゴールド系)
次にプラスするなら、チャート系(緑・ピンクなど)やマット系(光らない黒・白など)がおすすめです。そのほかヤマメ狙いならヤマメカラーもよく使われます。別のヤマメが縄張りに入ってきたと思って攻撃してくるヤマメがかかります。
おススメアイテム
スミス(SMITH) D-インサイト(チャート系)
DUO スピアヘッドリュウキ 45S(マット系)
渓流ルアーフィッシングはカラーチェンジが有効です。ルアーを通す深さやコースだけでなく、ルアー自体のカラーを変えるとヒットすることがよくあります。カラーを変えるときは、全然違う色に変えてみましょう。
ルアーの定番の重さ
どのタイプもまずは3~5グラムを用意しましょう。3グラムを基本に、深いところや流れが強いところでは5グラムを使います。慣れてきたら、浅いところは2グラム前後、水深が深いところでは7グラム前後を使ってみたりして幅を広げていきましょう。
おススメアイテム
ダイワ(Daiwa) ドクターミノー ジョイント5S 3グラム
ラパラ カウントダウンCD5 5グラム
ジャクソン(Jackson) メテオーラ 7グラム
まとめ
●渓流釣り未経験の場合…本流~渓流域がおすすめ
●魚が居つくポイント…淵・トロ場・瀬・落ち込みなど
●3つのキャストの方向、アップストリーム・ダウンストリーム・クロスストリームを意識する
●ルアーは、色はシルバー系・ゴールド系、重さは3~5グラムが基本
●ミノー(ヘビーシンキング・シンキング 活性が低いとき・深いところ向き)…トゥイッチング
●スピナー(活性が高いとき・浅いところ向き)…ただ巻き、ストップアンドゴー
●スプーン(活性が低いとき・深いところ向き)…ただ巻き、リフトアンドフォール渓流ルアー選びの参考にして、ぜひ楽しんでくださいね!