磯や海岸などショア(岸)から沖に向かってメタルジグを投げ、真鯛やヒラマサなどの青物を狙うショアジギング。特に引きの強いブリやヒラマサなどの大型青物は、使用するタックルに強度が求められます。
中でもリールはショアジギングで狙うターゲットの大きさや釣り場によって適したリールが変わってくるため、ターゲットに合ったモデルを選ぶことは釣果に大きく影響します。
今回はショアジギングに使うリールの選び方や判断基準となるポイント、ショアジギングにおすすめのリールをご紹介します。
投稿者プロフィール
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好きな釣り:ブラックバス、ヒラマサ
幼少期(当時3歳)に祖父に連れられ、管理釣り場にマスを釣りに行ったのが私の魚釣りとの出会いでした。
釣りをしながら成長し、今では仕事も釣り関係。そんな私の人生で養った事が少しでもこの釣行ガイドで役に立てば光栄です。
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目次
ショアジギング用リールはターゲットで使い分ける
ショアジギングと一言でいっても、使用するメタルジグの大きさによって細かく分類されています。
メタルジグの重さが20~30gまでがスーパーライトジギング、~60gまでがライトジギング、60~90gがショアジギングと呼ばれています。
それぞれの釣法によって以下のように適したターゲットが分けられます。
スーパーライトジギング:カサゴやメバル、アカハタなどの根魚、アジやサバなどの小型青物、ヒラメやマゴチなどの底物、マダイなど
ライトジギング:ハマチやタチウオなどの小~中型の青物、マダイ、アコウなどの底物、シイラなど
ショアジギング:ブリやヒラマサ、カンパチ、サワラなどの大型青物、カツオ、シーバスや稀にヒラスズキなど
基本的には、狙う魚が大きければ大きいほど、ほとんど比例してメタルジグも大きいものを使います。
ショアジギングは基本的に遠投することが共通項なので、リールを選ぶ時の大前提として、遠投できてPEラインを多めに巻けるスプールサイズであるが条件となります。
また、大型青物が回遊する釣り場では、大物がかかってもしっかり対応できるよう、リールに剛性や耐久性の高さも必要です。
ショアジギング用リールを選ぶポイント
ショアジギングに使うリールは、以下のポイントを基準に選んでみてください。
・リールの番手は狙う魚の大きさによって使い分ける
・ギア比は基本的にハイギアがおすすめ
・ドラグ性能が高く、剛性や耐久性の高いリール
・PEラインが多めに(最低200m)巻ける
なお、ショアジギングに使用するリールはスピニングリールであることがほとんどです。
遠投でベイトリールを使うとバックラッシュ(ルアーは失速していくがスプールが回転し続けてラインが放出され続けてしまう現象)が起きやすく、加えてショアジギングでは短い距離でのテクニカルなキャストが必要ないため、スピニングリールの方が最適です。
選び方➀番手
ショアジギングでは、リールの番手は狙う魚の大きさによって使い分けます。
具体的には、
・スーパーライトショアジギングは2500~3000番
・ライトショアジギングは3000~4000番
・ショアジギングは4000~6000番
が1つの基準となります。
まずスーパーライトショアジギングは、20~30gの軽量のメタルジグを使用し、加えてロッドも軽いため、リールも2500~3000番と小さめの番手を使いタックルバランスを取ります。
2500番台はアジやサバなどの小型青物だけでなく、エギングやチニングで使いやすい番手のため、リール1つで幅広い釣りを楽しみたい方にはおすすめです。
次にライトショアジギングは、30~60gのメタルジグを使い、番手は3000~4000番を使います。
初めてのショアジギングはこの3000~4000番台を最初の1台にするのが良いです。
最後にショアジギングは、60~90gの大きめのメタルジグを使用し、ジグの重さやターゲットの大きさに比例して番手を大きくし、剛性の高いリールを選びます。
リールの重要はどうしても重くなりますが、その分巻き上げる力が強いため、より遠投しやすく大型青物とのファイトも安定感があります。
選び方②ギア比(ハイギア・ローギア)
ギア比とはリールのハンドルを回したときにどのぐらいの速さでラインを巻くことができるかを数値化したもので、主にローギア・ノーマルギア・ハイギアに分かれます。
一般的に、ギア比は 5未満をローギア、5~5.7をノーマルギア、5.8以上をハイギアと分類されています。
ショアジギングはアタリが出るまでひたすらメタルジグを遠投→巻くを繰り返すため、ルアーの回収(巻き)の速度が速い=ハイギアがおすすめです。
またショアジギングは日が昇っている明るい時間帯に釣りをすることがほとんどなので、ハイギアリールを使ってメタルジグをすばやく動かすことでルアーを見切られにくくする、リアクションバイト(魚が反射的にルアーに食いつくこと)を誘いやすいというメリットもあります。
一方、ローギアを使うメリットは巻き取りスピードがゆっくりな分、力強く巻くことができるため、大型魚の強烈な引きにも負けず、巻き取りがハイギアと比べると楽な点です。
ローギアは主にオフショアジギングで活躍することが多いです。
基本的にはハイギアタイプを使い、大型青物や沖釣りをする場合にはローギアと使い分けましょう。
選び方③ドラグ性能
ドラグとは魚が強く引いてきた際、スプールからラインが一時的に出ることによってラインが切れるのを防止する機能です。
ショアジギングではこのドラグ性能が非常に大事になります。
ドラグはラインが滑りすぎても全く滑らなくてもダメです。
ラインが滑りすぎると魚を止められなくなり逃げられてしまいますし、ラインが全く滑らないとラインブレイクしてしまいます。
特に大型青物やマグロなどがかかった場合、ドラグ性能がしっかりしているとラインが適度に出ることによって魚を追従しやすく、バラシやラインブレイクもせずしっかり獲物をキャッチできます。
ショアジギングリールのドラグ力は5kg以上、5000番以上のリールは10kg以上あるものがおすすめです。
基本的には番手にあったドラグ力が性能として備わっているので、そこまで注視して選ぶことはありませんが、大型青物を狙う際には特に気をつけておきたいですね。
選び方④剛性・耐久性
リールの剛性や耐久性は、ショアジギングで大型青物を狙う際に必要になります。
メタルジグを投げては巻きを繰り返すため、リールには摩耗に強い耐久性と、大型青物がかかった際に魚の引きに負けないリール自体の剛性を兼ね備えたリールを使うことで、釣果が上がりやすくなります。
剛性の高いリールはアルミなどの金属ボディが採用されていることが多いため、少し重たくはなりますが、大型魚とのファイト時にもボディやローターが歪むことなく高負荷にも耐えられます。
巻き取りの際にもストレスなく楽に巻けるので、予算が許す場合にはぜひこだわりたい部分です。
選び方⑤糸巻き量
リールにどれだけライン(糸)が巻けるかは、番手によって変わります。
ショアジギングリールに巻くラインは、直線強度や飛距離が出やすいPEラインが良いです。
メーカーによって巻ける量は少し異なりますが、番手によってラインの巻ける量が決まっています。
・2500~3000番:PE0.8号を200m以上巻ける
・3000~4000番:PEライン1号を200m前後巻ける
・4000~6000番:PEライン1.5号が200m以上巻ける
以上の糸巻き量を満たしたリールを選びましょう。
4000番以上のリールはラインの糸巻量が多く巻けるので、使用するPEラインの下にナイロンラインなどを下巻きしてから使ってください。
おすすめショアジギング用リールまとめ
・リールの番手は狙う魚の大きさによって使い分ける
・ギア比は基本的にハイギアがおすすめ
・ドラグ性能が高く、剛性や耐久性の高いリール
・PEラインが多めに(最低200m)巻ける
以上の点を踏まえ、2500~3000番・3000~4000番・4000~6000番の番手別に、お手頃価格の機種と高価格の機種をそれぞれご紹介いたします。
【おすすめ1】2500~3000番(スーパーライトショアジギング)
2500~3000番の中でもおすすめのリールは、
・ダイワ フリームス LT3000-XH
・アブガルシア Revo ALX 3000SH
・シマノ ツインパワー C3000XG
です。
ダイワ フリームス LT3000-XH
自重:225g
ギア比:6.2
最大ドラグ力:10kg
PEラインの糸巻き量(号-m):1.0-200, 1.2-190, 1.5-170
比較的安価なリールですが、ダイワ独自の高密度カーボン素材「ZAION V」により、低価格帯のリールよりも軽さ・剛性の高さが頭一つ抜けています。
新素材になったことで以前のモデルよりも25%も軽量化されたエアローターにより、回転レスポンスが大幅に向上し、魚が食った際の初動でも軽く巻ける仕様になっています。
LT3000-XHはハイギアモデルで、ソルトウォーターから淡水まで幅広く使え、スーパーライトジギングに適したモデルです。
ライトショアジギングにはLT4000-CXH、ショアキャスティングやロックショアにはLT5000-CXHがおすすめです。
アブガルシア Revo ALX 3000SH
自重:227g
ギア比:6.2
最大ドラグ力:5.2kg
PEラインの糸巻き量(号-m):1.2-150
アブガルシアのRevo ALXシリーズは、細部の部品にまで高品質にこだわり、徹底的に軽量化するよう設計されたリールシリーズです。
手の届きやすい価格ながら、アルミ製のマシンカットギアシステムにより、ギアの巻き取りの良さと耐久性の高さを兼ね備えています。
ハイギアモデルかつこの高強度アルミ製ギアで、ルアーアクションや巻き取りもスムーズに行うことができます。
PEラインの糸巻き量が少し短めなので、スーパーライトジギングでシャローエリア(水深の浅い場所)を探る釣り方におすすめのリールです。
シマノ ツインパワー C3000XG
自重:215g
ギア比:6.4
最大ドラグ力:9kg
PEラインの糸巻き量(号-m):1-400, 1.5-270, 2-200
シマノの高価格帯リールシルーズで、高い剛性と耐久性を誇るリールです。
自重215gと3000番台では軽量ながら、常に改良され続ける金属ローターは変形量が従来モデルより6割も減り、さらなる高剛性を目指し進化し続けているリールシリーズで、圧倒的な強靭さで多くのアングラーの支持を得ています。
剛性だけに偏らず、何度遠投してルアーを巻き続けても滑らかな巻き心地を維持するシマノ独自の「HAGANEギア」で、ストレスなく釣りが楽しめます。
PEラインの糸巻き量も1号だと400mも巻け、遠投かつボトム部分まで探れるレンジの広さも魅力です。
C3000XGはハンドル一巻き94cmという最速巻き上げスピードを誇り、手返し(ルアーを回収してすぐルアーを投げるまでの一連の動作)が良いため、ナブラ(青物が小魚を追い詰めて海面がざわつく瞬間)も逃しません。
【おすすめ2】3000~4000番(ライトショアジギング)
3000~4000番のリールの中でも、おすすめなのは
・シマノ ストラディック SW 4000HG
・ダイワ カルディア LT4000-CXH
・ダイワ ソルティガ BJ 4000
です。
シマノ ストラディック SW 4000HG
自重:300g
ギア比:5.8
最大ドラグ力:11kg
PEラインの糸巻き量(号-m):1-490, 1.5-320, 2-240
中価格帯のリールでありながら「SW」のつく剛性特化型リールです。
その高い剛性とシマノ独自のシャフト構造「サイレントドライブ」(4000HG・4000XGのみ)によって滑らかな巻き心地を両立しています。
4000HGはライトショアジギングのスタンダードモデルで、キャスティングゲームにも使える汎用性の高い機種です。
PEラインの糸巻き量も1号だと490mも巻け、番手も4000~14000と大きめのラインナップが豊富なので、ロックショアジギングやオフショアでのヒラマサやキハダゲームに挑戦する方にもおすすめです。
ダイワ カルディア LT4000-CXH
自重:230g
ギア比:6.2
最大ドラグ力:12kg
PEラインの糸巻き量(号-m):1.2-310, 1.5-200, 2.0-170
大口径ギアを搭載しながらも軽量化されたモデルで、+エアローターで軽い&回転が滑らかなリールです。
低価格帯ながら最大ドラグ力12kgと高性能で、ねじれやたわみに強いモノコックボディなので、大型青物とのファイト時にもリールが歪まず安心して引きを楽しめます。
LT4000-CXHはライトショアジギングの定番モデルで、シーバスやサクラマスなどのトラウトフィッシングでも使えます。
ダイワ ソルティガ BJ 4000
自重:430g
ギア比:4.9
最大ドラグ力:10kg
PEラインの糸巻き量(号-m):1.2-310, 1.5-200
ダイワの高価格帯リールシリーズで、軽量かつ高剛性のモノコックボディ+高耐久素材のハイパーデジギヤが搭載された、高剛性・高耐久のリールです。
ソルティガ BJ 4000はギア比4.9のローギアタイプなので、大型魚の強烈な引きにも負けず、ファイト時の巻き取りもスムーズです。
マグシールドをはじめとした防水性能も高く、長く愛用できる高級モデルです。
【おすすめ3】4000~6000番(ショアジギング)
4000~6000番リールの中でもおすすめは、
・シマノ ステラ SW 5000HG
・ダイワ カルディアSW 4000-CXH
です。
シマノ ステラ SW 5000HG
自重:420g
ギア比:5.7
最大ドラグ力:13kg
PEラインの糸巻き量(号-m):2-350, 3-240, 4-170
シマノ最高級のリールシリーズで、「SW」のつく高剛性のリールです。
番手は4000HGから30000までラインナップされており、30000は200kgオーバーのマグロ専用リールとして、超大物を釣るための力強さを備えています。
5000HGはライトショアジギングに最適の機種で、近海オフショアにも使えるスタンダートモデルです。
最大ドラグ力13kgと驚異のドラグ力を誇り、「インフィニティドライブ」搭載で軽いかつパワフルな巻き上げが可能で、強い負荷を掛けて巻いてもノイズもなくシルキーな巻心地です。
ダイワ カルディアSW 4000-CXH
自重:290g
ギア比:6.2
最大ドラグ力:12kg
PEラインの糸巻き量(号-m):1.2-310, 1.5-200
こちらも「SW」のつく剛性特化型リールで、中価格帯のリールでありながら高級リールのソルティガやセルテートにも劣らない基本性能の良さが魅力です。
最大ドラグ力12kgと高性能で、独自のドラグシステム「ATD」により、大型魚とのファイトでも一定のリズムでプレッシャーをかけることができるので、安定したファイトを楽しめます。
4000-CXHはサゴシやイナダ(ハマチ・ブリの幼魚)などの青物や、ヒラスズキ、マダイなどのライトショアジギングに最適な番手です。
ブリやヒラマサなど大型青物を狙うなら、10000-Hか14000-Hがおすすめです。
まとめ
ショアジギングに使うリールは、
・スーパーライトショアジギングは2500~3000番台
・ライトショアジギングは3000~4000番台
・ショアジギングは4000~6000番台
・ギア比は基本的にハイギアがおすすめ
・ドラグ性能が高く、剛性や耐久性の高いリール
・PEラインが多めに(最低200m)巻ける
を基準に選びましょう。
その上でおすすめのリールは、
・ダイワ フリームス LT3000-XH
・アブガルシア Revo ALX 3000SH
・シマノ ツインパワー C3000XG3000~4000番(ライトショアジギング)
・シマノ ストラディック SW 4000HG
・ダイワ カルディアSW 4000-CXH
・ダイワ ソルティガ BJ 4000
4000~6000番(ショアジギング)
・シマノ ステラ SW 5000HG
・ダイワ カルディアSW 4000-CXH
です。
ショアジギングを始めるには、まず3000~4000番のリールを買って、スーパーライトジギングやライトジギングで釣果を重ね、慣れてきたらボートジギングやロックショアジギングに挑戦してみてください。