高級魚としても知られる「ノドグロ」。魚の正式な名称は「赤鯥(アカムツ)」ですが、「のどぐろ」と呼ばれる名の通り、喉の奥が黒いのが大きな特徴です。
脂ののったノドグロはどんな調理をしても美味しいのですが、今回はその上質な脂を活かして、刺身を炙りにします。
ノドグロの捌き方から旬の時期、ノドグロが釣れる場所についてご紹介します。
投稿者プロフィール
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好きな釣り:SWルアー
家から海が近く幼い頃はサビキ釣り、学生時代は堤防からイカ釣りやショアジギングをして楽しんでいました。
4年前に知り合いの船で初めて船釣りに行った時に釣れたブリの引きの強さを見て青物釣りに興味を持ちました。
今となっては引きが強烈で、かっこいいヒラマサに魅了され毎週のようにショア、オフショアから魚を狙って釣りに行ってます。
今後はヒラマサ以外にもGTやマグロなどビッグゲームからクエ、石鯛などの底物釣りにも挑戦をして釣りの楽しさ、魅力を発信していきます。
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目次
- ノドグロを捌いて炙って姿造りで盛り付ける!捌き方の手順と動画解説
- 内臓を取り出してノドグロを三枚に卸す
- 腹骨を削ぎ、小骨を抜き取るって背骨の血合いを洗い流す
- 盛り台を作り、ノドグロの柵を切って炙り、平造りで盛り付ける
ノドグロはどこで釣れる?旬の時期と漁獲量の多い場所
ノドグロの旬は実のところ、はっきり旬の時期が定まっていません。
一年中水揚げされる魚ですが、旬は「夏~秋」とする説と、「秋~冬」とする説があります。
「夏~秋」が旬とされるのは、この時期にノドグロが産卵期を迎えるため、食欲旺盛になり体に脂肪を蓄える時期だからと言われています。
一方「秋~冬」が旬とされるのは、寒さに耐えるために体に脂肪が蓄えられることと、冷たい海水で身が締まって美味しくなることが理由とされています。
しかし、そもそもノドグロは一年を通じて脂のりが良い魚で、いつ食べても美味しいのが「高級魚」たるゆえんですね。
ざっくり7月~10月が旬となりそうです。
そんな高級魚を自ら釣って、すぐに捌きたてを食せたら最高ですよね!
ノドグロの漁獲量が多いのは、島根県や山口県などの山陰地方・新潟県や富山県などの北陸地方・長崎県(特に対馬)などの九州地方です。
生息域は、ノドグロがまた小さい時期は水深100mほど、大人になると水深200m~400mほどに生息しています。
また産卵期には水深の浅いところへ移動するため、水深150m~200mのポイントでの船釣りとなります。
また、ノドグロは地形変化で凹凸のある場所を好み、砂利場に群れですんでいることがわかっています。
ただし岩場の近くにはいかないため、砂利場に近い中深場のポイントを探しましょう。
ノドグロをスーパーで買うときの目利き
ノドグロは年中水揚げされる魚ですが、水揚げ量はそんなに多くないため、価格が高いです。
高級魚を奮発して買うなら、より脂ののった美味しいノドグロを選びたいですよね。
大前提として「喉が黒いか」を確認した上で、
・澄んだ目をしている
・エラが鮮紅色である(茶色くなっていない)
・全体的にハリがあり、腹が硬い
この3点を意識してノドグロを選んでみてください。
ノドグロを捌いて姿造りで盛り付ける!捌き方の手順と動画解説
内臓を取り出してノドグロを三枚に卸す
作業1:鱗を剥ぐ。
魚を綺麗に水洗いをしましょう。
頭を押さえ、背側から鱗を剥いでいきます。
次に腹側の鱗を剥ぎ、最後に簡単な真ん中の鱗を剥ぎます。
裏側も同じように鱗を剥ぎます。
鱗取りは取りにくい箇所(背側と腹側)から取り、最後に簡単な箇所を取りましょう。
鱗の取り残しが少なくなります。
仕上げに包丁で残った鱗を落とします。
今回は姿盛りですので、頭とカマの鱗は残します。
作業2:エラと内臓を取り出す。
頭を右に向け、エラを開き、エラの淵についている膜に切り込みを入れます。
切り込みを入れた逆側のエラから包丁を入れ、包丁でエラを押さえながら、魚を回すようにしてエラを取り出します。
エラ抜きは包丁を動かしたり、切っ先(刃先)に力を入れすぎると切れてしまう為、包丁の側面でエラを巻き取り、押さえるようにしましょう。
包丁を逆さ包丁で持ち、下ビレまで切り込みを入れます。
腹が開いたら、そこから内臓を取り出し、水洗いします。
口の方から水を流しながら、内臓を取り出すと綺麗に洗い出せます。
作業3:三枚卸にする。
頭を左に腹を上に向け、胸ビレから下ビレに向かって腹側から包丁を入れます。
次は頭を右に向け腹側から卸していきます。
また頭を左に腹を上に向け、背側を卸します。
背骨まで包丁をいれ、次は背側を卸します。
身の中心だけがつながった状態になりますので、尾ビレの方から逆さ包丁で身を剥がし、頭の方に背骨に沿って包丁を滑らせ、卸します。
慣れない方は、背骨に沿って包丁を入れた際にどのように包丁が入ったか確認しながら数回に分けて卸しましょう。また今回は出刃包丁を使用しましたが、小型の魚は薄刃包丁など刃が薄い包丁の方が卸しやすいです。
最後に尾ビレの繋がった身を切り、片身が卸せました。
次は上身を卸します。
頭から下ビレに向けて切ります。この時に頭を落とさないように注意しましょう。
腹側を上に向け、背側から卸し、腹側も同じように卸します。
三枚卸しの完成です。
腹骨を削ぎ、小骨を抜き取るって背骨の血合いを洗い流す
作業4:腹骨を削ぎ、小骨を抜き取る。
腹骨を取り除き、身の真ん中に小骨があるため、骨抜きで抜き取ります。
腹骨を削ぐ場合は包丁の刃を横に向けて腹骨に刃をあてるイメージで削いでみましょう。
苦手な方は数回に分けて、確認しながら卸しましょう。
作業5:背骨の血合いを取り除く。
姿盛りにする上で、血が出ていると見栄えが良くありません。
そのため、血はしっかり取り除く必要があります。
頭の中も綺麗に洗い流しましょう。
今回は手で取っていますが、歯ブラシなどを使うと簡単に外すことができます。
背骨の血合い取りは頭の方から、尾ビレの方に向けてブラシを動かすと、ブラシが骨に引っかからずに綺麗に取ることができます。
盛り台を作り、ノドグロの柵を切って炙り、平造りで盛り付ける
作業6:盛り台を作る。
舟台に大根ケンを置き、頭の方にはクマササ、その横に笹すだれを置きます。
尾ビレ近くのから竹串を通し頭の身が残っているところへ竹串を打ちます。
串打ちすることで尾ビレが上に向き、立体感と躍動感がでます。
尾ビレの方に串を打つ際に尾ビレの下側に串を打ち、背骨を少しひねるイメージで串を通すとより躍動感がでます。
刺身を盛る大根ケン、大葉を敷きます。
姿盛りは盛り方が重要です。
盛り付けによって刺身の切り方も考える必要があるため、最初に盛り方を考えます。大根ケンは奥側が高くなるように敷き詰めます。
大根ケンで傾斜を作ることで、遠近感がでて、より立体的に見えます。
作業 7:柵取りをする。
今回は全長が22cm前後のノドグロのため、背身と腹身を分けずに刺身を引いていきます。
そのまま刺身に引いても良いのですが、より綺麗に見せるため腹トロ部分はカットして成形します。
腹トロ部分も使うため、取っておきます。
柵取りは、長方形に近くなるように成形します。
切り口にガタつきがある場合は綺麗に整えます。
作業 8:平造り
今回は炙りにしますので、皮をつけたまま刺身を引いていきます。
ノドグロは身が柔らかいため、なるだけ切れる包丁で刺身を引きましょう。
飾り包丁を入れ、まな板の手前5cmのところへ皮目を上にして自分と平行になるように身を置きます。
包丁を斜めに入れて切ります。
最初の1切れ目は形が悪いため外します。
刺身の幅は指3本程度の長さに揃えます。
【POINT】平造り
斜めに切る→右側に送る→包丁を90°に戻す→身を置く。
包丁を斜めに傾けて切ることで刺身の幅は長くなり、垂直に切ると短くなります。
柵の幅によって、包丁を傾ける角度を調整します。
包丁で身をすくい、ステンレスバットに置きます。
腹トロも一緒に炙ります。
包丁の峰・ミネ(上部)に人差し指を添える際に、少し右側にずらし包丁を握ります。
こうすることで刃が外向きになり、刺身の切り口に切り角が立って平造りがより綺麗に見えます。
作業 9:刺身を炙り、盛台へ盛り付ける。
皮目に若干焦げめが付くまで、市販のバーナーで炙ります。
炙った刺身を包丁ですくい、盛り付けます。
焦げた皮目は触れるとすぐに剥けてしまいます。
炙った後は、なるべく皮目を触らないように気をつけましょう。
作業10:あしらいを入れる。
ラディッシュとレモン、パセリと腹トロを盛り付けて完成です。
ノドグロ捌き方 まとめ
今回は超高級のノドグロを捌いて全部炙りにし、お刺身でいただきました。
丸々太ったノドグロの炙りは旨味が強く、とても美味しく頂けました。
姿造りで使った骨も、お煮付けやお吸い物にすることで余すことなくいただけます。
お店で食べると数千円~1万円以上するノドグロ料理も、ご自身で釣ったりご自宅で捌くことでお安くいただけますよ。
ノドグロを狙う際は、
・水深150m~200mの中深場
・砂利場のある海底が◎
・小魚のほかに、イカや甲殻類が豊富な場所
というポイントを探してみてください。
使用した材料
・ノドグロ(アカムツ)1尾 長崎産 サイズ(全長 20cm前後)
・大根ケン 約500g
備考:スーパーなどで売っていただけます。
・大葉 2枚
・ラディッシュ 1/3個
・レモン 1/4個
・きゅうり 1/2個の1枚
・クマササ 1枚