渓流ルアーフィッシングの主な対象魚は、ヤマメ、アマゴ、イワナといったいわゆるトラウトですよね。
川の上流域にあたる渓流や源流と呼ばれるエリアに棲息します。トラウトはルアーにもよく反応し、その際はエサと思って食い付いてくるほか、自分の周りにキラキラとした異物が入って来たことで、威嚇したり追い払ったり「リアクション」を返してくれる、ゲーム性の高い釣りです。渓流のルアー釣りで使うライン(釣り糸)はナイロンラインが一般的ですが、今回はナイロンラインだけにとどまらず、PEラインやエステルラインの中で渓流ルアーにおすすめのラインを、それぞれのラインの特徴をまとめつつご紹介いたします。
投稿者プロフィール
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好きな釣り:渓流釣り
初めて釣りにいったのが糸島にある某ヤマメの管理釣り場で、そこから渓流釣りに興味を持ちました。
小さい頃は祖父の自宅が山に囲まれていて渓流に入って直接魚を獲るようなアクティブな子どもでした(笑)
ダイワの某釣り番組が好きでよく見ており、経験は浅いですが知識は少しずつ蓄えています。渓流釣りだけでなく、様々な釣りジャンルの発信をしていきたいと思います。
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目次
- 渓流ルアー釣りに最適なのはどのライン?ラインの種類とメリットデメリット
- ナイロンラインとは?渓流ルアーで最も使われている理由
- PEラインとは?ルアーアクション多めならPEラインが◎
- エステルラインとは?上級者は軽量ルアーに挑戦!
渓流ルアー釣りに最適なのはどのライン?ラインの種類とメリットデメリット
ライン(釣り糸)にはナイロンライン・フロロライン・PEラインなど様々な種類がありますが、渓流ルアーでは主にナイロンライン・PEライン・エステルラインが使われます。
まずはそれぞれのラインの特徴と、そのメリットデメリットをご説明します。
ナイロンラインとは?渓流ルアーで最も使われている理由
ナイロンラインとは釣りにおいて最も一般的なラインで、名前の通りナイロン素材でできています。
またPEラインと違って撚って(編んで)作られるものではなく、1本の糸で作られています。
<ナイロンラインのメリット>
・価格が安価
・柔らかくしなやか=初心者でもトラブルが少ない・糸グセがつきにくい
・比重も軽く、伸びがあり魚がバレにくい
・空気抵抗が少なくルアーがよく飛ぶ
渓流ルアーでトラウトを狙う際には特に、ラインが「柔らかくしなやかである」「伸びがある」という点が重要になります。
ラインに伸びがあることで、トラウトが掛かった場合にすぐフッキングしてもバレにくく、トラウトが暴れてもその衝撃を吸収してくれます。
他のラインと比べてライントラブルが少なく、初心者の方にも扱いやすいラインです。
これらのメリットから、渓流ルアーフィッシングではよくナイロンラインが使われます。
また渓流釣りに使うルアーの中でもスプーンやスピナーを使う場合には、派手なアクションが不要でゆっくり巻くだけでも釣れますので、ナイロンラインが適切です。
<ナイロンラインのデメリット>
・水を吸収しやすく劣化が早い
・紫外線での劣化が早い
・伸びがあることでフッキング(アワセ)が決まりづらい
・摩擦などの熱に弱い
・他のラインと比べて感度が低い
感度が低いことはラインに伸びがあるというメリットと表裏一体です。
よほど広い渓流でない限り遠投することは少ないと思いますので、アタリを目視で判断することも可能かと思います。
もしアタリの判断が難しくフッキング(アワセ)のタイミングがわからない場合は、糸フケをとってラインを少し張り気味にしたり、アワセを入れる前に糸フケをすばやく巻き取るように習慣づけると良いです。
ラインの劣化が早いことの対応策としては、ラインそのものを頻繁に取り替えるのみです。
ナイロンラインは比較的安価なので、ケチって釣果を逃すより、糸フケなどを見つけたら事前にすぐ交換する癖をつけましょう。
PEラインとは?ルアーアクション多めならPEラインが◎
PEラインとはポリエチレンでできており、極細の糸を編んでできたラインです。
原糸4本で編み込んでいるものを4本撚り(編み)、8本で編み込んでいるものを8本撚り、12本で編み込んでいるものを12本撚りといい、店頭には4本撚りと8本撚りがメインで取り扱われています。
<PEラインのメリット>
・伸びがなく感度がいい
・アクションが正確に伝わりやすい
・軽く圧倒的な飛距離を出せる
・強度が強い(同じ太さのナイロン、フロロカーボンラインと比べ2倍以上の強さ)
最近では渓流ルアー釣りでもPEラインを使うアングラーが増えてきました。
その理由が、PEラインの「感度が良い」「ルアーアクションが正確に伝わる」というメリットにあります。
PEラインは細くてラインの伸びがないので、飛距離が出て、ルアーにキレの良い動きをつけることができます。
使うルアーがミノーの場合はアクションをつけて動かす必要があるため、PEライン+フロロリーダーを使うのがおすすめです。
<PEラインのデメリット>
・価格が高い
・軽いために、水流や風の影響を受けやすい
・結束強度が低い
・結ぶのが面倒
・岩など硬い物への擦れに弱い(リーダーが必要)
PEラインを渓流ルアー釣りで使うなら、リーダーが必須になります。
最近のPEラインは擦れに強いタイプも出ていますが、岩や傾斜が多い複雑な地形の渓流フィールドではラインの柔軟性に欠けますので、ある程度渓流釣りに慣れてきたら使うと良いでしょう。
エステルラインとは?上級者は軽量ルアーに挑戦!
PEライン同様、名前の由来はPolyester(ポリエステル)から来ています。
最近では各メーカーから発売されていますが、実際に使ったことがある人はアングラーの中でもまだ少ないのではないでしょうか。
エステルラインはメバリングやアジングなどで定着しており、エリアトラウトでも用いられています。
<エステルラインのメリット>
・比重が軽く、ナイロン、フロロカーボンラインよりも飛距離が出る
・伸びがなく感度がいい
・水のなじみがいい
<エステルラインのデメリット>
・切れやすい
・ライントラブルが多い(バックラッシュが起きやすい)
・扱いが難しい
・リーダーは必須
リーダーの使用に合わせてライン管理もできるような上級者向けのラインですので、ルアーフィッシングに慣れていてより軽量のルアーを使う場合や渓流が深くてボトムを狙いたい場合に使うのが効果的です。
渓流ルアーに使うナイロンラインの選び方
渓流釣りでナイロンラインを選ぶ際は、
・ライン強度は3~4ld(ポンド)ほど(太さ0.8号前後)
・ラインの長さは100m以上
・カラーは視認性の良いもの
をポイントに選びましょう。
トラウトを渓流ルアー釣りのターゲットにした場合、ナイロンラインの太さは0.8~1号(強度は3~4lb)が一番汎用性が高いです。
トラウト釣りビギナーの方は、ルアーの飛距離は落ちますが、少し太めの1~1.5号を使うとラインブレイクしにくいのでおすすめです。
またエリアの広さにもよりますが、渓流釣りではラインの長さは100mあれば十分です。
カラーは視認性の良いものを選びましょう。
というのも、ナイロンラインは伸びが良いゆえにアタリがわかりにくいデメリットがあるため、ラインの色をアタリの判断材料にするために明るめのカラーにすることをおすすめします。
以上を踏まえて、渓流ルアー釣りにおすすめのナイロンラインを3つご紹介します。
渓流ルアーにおすすめのナイロンライン
サンヨー(Sanyo)アプロード GT-R ピンクセレクション
サンヨー(Sanyo)アプロード GT-R ピンクセレクション
ナイロンラインながら、耐摩耗性は一般的なナイロンの約20倍と高く、他のナイロンラインと比べても群を抜いて高強度のラインです。
またラインの太さが0.4号~5号と豊富なラインナップで、細めのラインでも強度が担保されているので安心して使いことができます。
もちろんナイロンラインの特徴であるしなやかさも十分にあ理、トラブルも少ないです。
カラーもピンクと視認性抜群!
多くのアングラーに愛され、強い・しなやか・コスパ◎の三拍子そろった優秀なナイロンラインです。
カラー:ピンク
価格:1,400円~2,900円
長さ:100m / 300m
太さ:0.4~5号
150m / 300m
0.4号 1.5lb
0.5号 2lb
0.6号 2.5lb
0.8号 3lb
0.9号 3.5lb
1.0号 4lb
1.2号 5lb
1.5号 6lb
2.0号 8lb
2.5号 10lb
3.0号 12lb
3.5号 14lb
4.0号 16lb
5.0号 20lb
山豊テグス ファメルトラウト サイトエディション
圧倒的にコスパが高いナイロンラインです。
強度は先ほどのサンヨー アプロード GT-R ピンクセレクションよりも高く、それでいて安い。
値段と性能のバランスがちょうど良いです。
渓流などのエリア環境になじむミストグリーンのラインカラーで、アングラーから見やすく魚からは見破られにくいです。
カラー:ミストグリーン(50cm毎にイエローのマーキングあり)
価格:1,200円~1,600円
長さ:100m / 150m
太さ:0.4~2号(150mは0.4~0.7号)
100m / 150m
0.4号 2lb
0.5号 2.5lb
0.6号 3lb
0.7号 3.5lb
0.8号 4lb
0.9号 5lb
1.0号 6lb
1.5号 8b
2.0号 10lb
バリバス(VARIVAS) スーパートラウト アドバンス サイトエディション
バリバス(VARIVAS) スーパートラウト アドバンス サイトエディション
ナイロンラインの中でも特に伸びと柔らかさに優れたラインです。
柔らかくしなやかなので、ルアーキャスト時の飛距離が伸びやすく、トラウトが掛かった時もよりバレにくくなります。
また、伸びによるクッション性能もあるため、不意のバイトや予想外の大物がヒットした際に一瞬の「間」と「タメ」が作れ、バラシを軽減する効果も期待できます。
カラーは明るめのライトグリーンで、どんな天候においても見えやすく、ラインの軌道が見えることでルアーのコントロールがしやすいです。
カラー:ライトニンググリーン
価格:1,200円
長さ:150m
太さ:0.8~3号
0.8号 3lb
1.0号 4lb
1.2号 5lb
1.5号 6lb
2.0号 8b
2.5号 10lb
3.0号 12lb
渓流ルアーに使うPEラインの選び方
渓流釣りでPEラインを選ぶ際は、
・ライン強度は6ld(ポンド)ほど(太さ0.4号前後)
・ラインの長さは100m以上
・カラーは視認性の良いもの
をポイントに選びましょう。
PEラインは擦れに弱くささくれしやすいため、渓流釣りの最中にどんどんダメージが溜まっていきます。
0.2号ほどの極細ラインを使うと、少しの擦れですぐにラインブレイクする可能性が高いです。
逆に0.6号ほどの太いラインだと、強度が強すぎてルアーアクションしづらい傾向にあります。
PEラインはそれ自体が他のラインと比べて細いので、細すぎず太すぎない0.4号を基準に選びましょう。
渓流ルアーにおすすめのPEライン
クレハ(KUREHA) シーガー PE X4 ルアーエディション
クレハ(KUREHA) シーガー PE X4 ルアーエディション
シーガー社のPEラインの中でも最高クラスの低伸度を誇ります。
低伸度のため、トラウトのアタリがより分かりやすく、ファイト時の直線強度も高いです。
また、細い号数ながら高いライン強度を誇ります。
加えてその価格の安さ、コスパの高さが魅力的ですね。
マーキングが細かく入っているので、ルアーの水深やラインの巻き取り量を把握しながら釣りを行いたい方は必見のPEラインです。
4本撚りのPEライン
カラー:ミスティックパープル(1mごとにライムグリーンのマーキングあり)
価格:1,900円前後
長さ:150m
太さ:0.2~0.3号
0.2号 3lb
0.25号 4.4lb
0.3号 6lb
デュエル(DUEL) アーマード F+ Pro トラウト
素材にポリエチレンとフロロカーボン、シリコンを混ぜて作られている特殊なラインで、擦れに対する耐久性が通常の PEラインよりも格段に高くなっています。
渓流釣りにおいてPEラインの最大のデメリットが緩和されたPEラインですね。
またPEラインの良さである細くて高強度を維持しつつ、ナイロンラインやフロロラインのように適度なコシやハリを実現しており、キャスト時のバックフラッシュが起こりにくく、他のPEラインと比べてライントラブルも少ないです。
カラー:オレンジ
価格:1,500円~2,500円
長さ:150m
太さ:0.2~0.6号
0.1号 4lb
0.2号 5lb
0.3号 6lb
0.4号 7lb
ユニチカ(UNITIKA) ライン シルバースレッド アイキャッチPEII
ユニチカ(UNITIKA) ライン シルバースレッド アイキャッチPEII
通常、PEラインは比重が軽いため水に浮くものがほとんどですが、このPEラインは高比重1.18のサスペンドタイプで、ナイロンと同じかそれ以上に沈みやすいです。
水に沈みやすいことから風の影響を受けにくく、ボトムゲーム等の操作性に優れています。
渓流の深いエリアや警戒心の強いトラウトだと効果覿面です。
またカラーが蛍光イエローと視認性が高く色落ち防止の特殊加工が施されているため、長時間水に浸っていてもラインを見失いません。
4本撚りのPEライン
カラー:蛍光イエロー(25mごとにパープルのマーキングあり)
価格:1,800円前後
長さ:150m
太さ:0.2~0.6号
0.2号 2lb
0.3号 3lb
0.4号 4lb
0.6号 6lb
渓流ルアーに使うエステルラインの選び方
渓流釣りでエステルラインを選ぶ際は、
・ライン強度は2lb(ポンド)ほど(太さ0.5号前後)
・ラインの長さは100m以上
・カラーは視認性の良いもの
をポイントに選びましょう。
基本的にトラウトで利用されているエステルラインは、2lb前後の強度のものが使われています。
太めのエステルラインを直結で使われる方もいますが、大型のトラウトがかかる場合も考えるとやはりリーダーが必須となってきます。
30cmを超えるトラウトは総じて歯が尖っており、フッキング時など合わせ切れの原因ともなりますので、フロロラインもしくはナイロンラインで強度を上げておきましょう。
エステルラインを使い始めたばかりで不安だという方は、4lb程度を使用することをおすすめします。
渓流ルアーにおすすめのエステルライン
バリバス(VARIVAS) スーパートラウトエリア マスターリミテッド スーパーエステル
バリバス(VARIVAS) スーパートラウトエリア マスターリミテッド スーパーエステル
1g未満の軽量スプーンを使う際にも飛距離ができるよう設計されたエステルラインです。
また水中でもラインの張りが持続することで直進性が高く、感度も抜群!
タフコンディション時のショートバイトをもしっかりと取れます。
エステルの中でも強度が高いのに値段が安い、コスパの高いラインです。
カラー:ネオオレンジ
価格:1,100円前後
長さ:140m
太さ:0.3~0.5号
0.3号 1.4lb
0.4号 2.1lb
0.5号 2.3lb
東レ(TORAY) トラウト リアルファイター ポリエステル
東レ(TORAY) トラウト リアルファイター ポリエステル
フロロを凌ぐ低伸度でより明確なバイト(魚の突っつき)をキャッチしてくれるエステルラインです。
通常のエステルラインよりドラグを強めにしてもライントラブルが起きにくく、強度・しなやかさ・感度のバランスが優れています。
比重は1.38と適度に沈んでいくので、軽量スプーンでも広範囲を攻めることができます。
カラー:ナチュラル
価格:1,700円前後
長さ:200m
太さ:0.3~0.5号
0.3号 1.3lb
0.4号 1.6lb
0.5号 2.2lb
ダイワ(DAIWA)プレッソ タイプE
ラインの表面が硬くて傷がつきにくい設計で擦れに強いエステルラインです。
加えて吸水性がほとんどないため、吸水による強力ダウンが少ないのが大きな特徴です。
比重は1.38と沈みやすく、水馴染みが良いのがエステルラインのメリットですが、水に浸っている間に劣化してしまうので、吸水性が低いラインだと長持ちしやすくコスパが高いです。
またこのシリーズは0.2号(1lb)からラインナップがあるので、極細のエステルラインに挑戦したい方にはおすすめです。
カラー:クリアカラー
価格:1,200円前後
長さ:150m
太さ:0.2~0.5号
0.2号 1.0lb
0.3号 1.5lb
0.4号 2.0lb
0.5号 2.5lb
渓流ルアー釣りに使うライン まとめ
渓流釣りに使うラインは、全体的に強度高めで擦れに強いものを選ぶのがおすすめです。
・ナイロンラインのライン強度は3~4ld(ポンド)ほど(太さ0.8号前後)
・PEラインのライン強度は6ld(ポンド)ほど(太さ0.4号前後)
・エステルラインのライン強度は2lb(ポンド)ほど(太さ0.5号前後)
・ラインの長さは100m以上
・カラーは視認性の良いもの
を基準に、エリアの状況やターゲットによって使い分けてみてくださいね。