太刀魚は釣りに行ってもボウズになりにくく、アタリの判断や魚とのファイトが楽しめる人気の釣りです。太刀魚はジギングでも釣れますが、近年人気になっているのが船でのテンヤ釣りです。
タチウオテンヤは7月から翌年の3月まで楽しめ、7月~10月がとくにハイシーズンです。
堤防からのタチウオジギングと比べ、船釣りのテンヤではドラゴン級の太刀魚が釣れる可能性が高く、魚とのファイトも格段に面白いです。
今回は太刀魚テンヤが初めてという方に、太刀魚テンヤのタックルや誘い方、釣り方のコツなどをご紹介します。
投稿者プロフィール
幼少期(当時3歳)に祖父に連れられ、管理釣り場にマスを釣りに行ったのが私の魚釣りとの出会いでした。
釣りをしながら成長し、今では仕事も釣り関係。そんな私の人生で養った事が少しでもこの釣行ガイドで役に立てば光栄です。
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目次
太刀魚のテンヤ釣りとは
太刀魚のテンヤ釣りは、大きなハリとオモリが一体になった仕掛け(=テンヤ)を使って太刀魚を釣る方法を指します。
テンヤと呼ばれる胴の部分がハリのみの特殊な形状のルアーに、エサとなるイワシやサンマなどを、頭を取ってハリに刺し、テンヤ仕掛けを投げて太刀魚を狙います。
基本的には太刀魚がテンヤ仕掛けに完全に食いつくまで誘い続け、アタリがあっても本喰いまで我慢する忍耐の必要な釣りですが、太刀魚とのギリギリの攻防戦が非常に魅力の釣りです。
テンヤ釣りは堤防でも楽しめますが、今回は船釣りでのタチウオテンヤをメインに、タックルなどをご紹介します。
太刀魚テンヤ釣り|餌
タチウオテンヤに使用するエサは、基本的にはイワシです。
イワシ以外だと、サンマやキビナゴですね。
加えて太刀魚は共食いもするので、エサが足りなくなったら釣れたタチウオの尻尾を使うのも1つの手です。
イワシやキビナゴは1尾丸ごと1つのテンヤに使います。
サンマの場合は三昧に卸して、身をテンヤにぐるぐる巻きにして使用します。
基本的には切り身よりも1尾まるごとの方がエサ持ちが良く、広範囲を攻める船釣りに有効です。
テンヤの尾の部分からエサが2cmほどはみ出すぐらいの長めのエサを用意しましょう。
使用できるエサやテンヤ、ロッドの長さなどは、乗船する船によって決められていることがほとんどですので、乗せてもらう船のルールに従ってください。
太刀魚テンヤ釣り|仕掛け・テンヤ
船釣りのテンヤ釣りに使用するのは、重さ40g前後のテンヤが良いです。
ただし、テンヤも重さも船によって持ち込んで良いサイズや重さが決められていることがあるので、事前に確認しましょう。
重さやヘッドの形、フックの形状や大きさが異なるテンヤを複数持っていくと、当日のシチュエーションによって最適なテンヤを選ぶことができます。
テンヤのカラーはゼブラ系、ピンク系、グロー系、蛍光系などがありますが、おすすめはグロー系です。
太刀魚は夜行性で日中は深場に潜っていることが多いため、深場の暗い海でも太刀魚がテンヤを見つけやすい色にすることが釣果につながります。
またヘッドやハリの形状が異なるテンヤを複数用意しておくことで、食いが渋い場合はテンヤを変えて泳がせ方や誘い方を変えることもできますよ。
太刀魚テンヤ釣り|ロッド
太刀魚のテンヤ釣りには専用のロッドがありますので、そちらがおすすめです。
しなやかさとフッキング性能を両立した、先調子のテンヤ専用ロッドです。
専用竿は高くて手が出せない…という初心者アングラーにもおすすめの、価格を抑えた基本モデルです。
シマノのサーベルマスターはタチウオテンヤ専用ロッドとしてエントリーモデルからハイエンドモデルまで揃っているシリーズとなります。
サーベルマスター SS はミドルクラスのロッドで、タチウオテンヤロッドに求められる基本性能を満たしながら、穂先は7:3調子、ブランクスは8:2調子と新しい発想でテンヤ釣りに挑戦できる面白いロッドです。
タチウオテンヤをさらに追求したい中級以上のアングラーにおすすめ。
他の釣りで使っているロッドを代用するとなると、ライトジギング用のロッドが使えます。
ロッドの条件としては、
・全長:1.7〜2m
・オモリ負荷が40〜100号
・8:2 もしくは 7:3 の先調子
・アタリを取りやすい柔軟性のある穂先
がタチウオテンヤには最適です。
太刀魚テンヤ釣り|リール
太刀魚テンヤ釣りによく使われるのは、小型のベイトリールです。
さらに電動リールであればなお良しですね。
というのも、タチウオテンヤは基本的にアタリが出るまでロッドアクションをし続け、太刀魚をかけた後もその引きに負けないよう慎重かつ強めに上げる必要がある、結構ハードな釣りです。
腕の負担を減らすためにも電動リールがおすすめです。
ダイワだと200〜300番台、シマノだと400〜600番台が良いです。
ダイワの電動リールの中でも一番人気のリールで、自重490gの軽量ながらもドラグ10kgとパワフルさも兼ね備えているため、引きの強い太刀魚相手でも楽に引き上げることができます。
シマノのフォースマスター 600はドラゴン級の太刀魚に対抗するため、よりスピーディなフッキングと、太刀魚の動きに合わせた最適な巻き上げスピードにこだわって作られた電動リールです。
太刀魚テンヤ釣り|ライン・リーダー
太刀魚テンヤ釣りに使うラインは、基本は船指定の号数を使いましょう。
指定がない場合は、2号前後のPEラインを200~300mほど使います。
釣りの最中では太刀魚にラインを切られることもあるので、ラインは長めに巻いておきましょう。
深場を狙って釣りをする場合は300mでも足りないことがあるため、水深の2倍の長さを目安にラインを用意すると良いです。
PEラインと合わせて使うリーダーは、8号ぐらいのフロロカーボンを50cm~1mほど使用します。
クレハ シーガー PE X8 2号 300m
太刀魚テンヤ釣り|その他あるといいもの
その他、太刀魚テンヤ釣りで必要なフィッシングツールは、
・プライヤー/太刀魚ハサミ
・ライフジャケット(必須)
・大型クーラーボックス(横長)
・酔い止め など
です。
特に太刀魚は非常に歯が鋭いので、素手で触ると大変危険です。
プライヤー/太刀魚ハサミは必須ですね。
ライフジャケットも船釣りには必須のアイテムなので、自分の身を守るためにも必ず着用しましょう。
餌の付け方
テンヤにつけるエサは、以下の手順で付けます。
①テンヤの尾の部分からエサが2cmほどはみ出すぐらいの長さにカット(頭はカットしてもしなくてもOK)
②テンヤからずれないようにエサをまっすぐに刺す
③ワイヤーをヘッド後ろの針の軸に数回巻きつける(ずれにくいように頭の方を中心に巻く)
テンヤにエサをセットするのは時間がかかるので、事前に仕掛けを数セット準備しておきましょう。
エサ持ちをよくするために、塩でエサを締めておくとなお良いです。
誘い方・アワせ方
タチウオテンヤの誘い方やアワせ方は以下の通りです。
①まず着底or指示ダナまで落とす
②ジャークアンドステイで誘う
③コツコツとしたアタリは一旦様子をみる
④グッと来るアタリがあったらすぐに大きくアワセて針がかりさせる
⑤急ぎすぎないよう一定の速度で巻き上げる
⑥竿で抜き上げず、リーダーを手でつかんで取り込む(竿で抜き上げると、外れたときテンヤが飛んできて危険)
太刀魚は警戒心が強いので、アタリは最初にコツコツとしたアタリが数回きて、その後にグッと引き込むような本アタリがあります。
そのため、最初の数回のアタリで早合わせしないよう我慢することが重要です。
本アタリがあったら素早くフッキングし、太刀魚の口に掛けるようにしましょう。
太刀魚テンヤのコツ
・あらかじめエサはいくつかセットしておく
・エサは多めに用意する
・周りの釣れている人と同じタナを狙う
・引き上げる際は一定の巻き上げスピードを心がける
・太刀魚が暴れたら無理に引っ張らず、スピードを緩めていなす
・アワセてかからなかったときもあきらめずに誘う
既にテンヤにエサをセットしている状態の仕掛けを数セット用意しておくことで、手返しがよくなり、釣りのテンポが良くなるので釣果につながりやすくなります。
また、船長の指示ダナに沿って仕掛けを投げてキープできる技術も必要です。
その上で、同乗しているアングラーが釣れ始めたら、あたったタナを教えてもらうのが手っ取り早いですよ。
アタリがあってフッキングしたけどうまく掛かっていない場合は、無理やり引き上げたり諦めて外れるようにアクションするのではなく、再度誘ってフッキングするのが良いです。
というのも、太刀魚は同じエサへの執着が強いため、一度フッキングできなくても再度太刀魚が食ってくる可能性は高いです。
まとめ
太刀魚のテンヤ釣りはタックルがシンプルで始めやすいですが、テクニックで釣果に差がつく奥深い釣りになります。
太刀魚のテンヤ釣り初心者の方は、まずはたくさん投げてアタリの感覚を掴むことから始めてみましょう。
本アタリの感覚がつかめたら、フッキングや引き上げ時の攻防の技術を磨いていくと、意図して釣る楽しさが味わえますよ。
誘い方やアタリの感覚は釣りをしていく中で掴んで、ぜひドラゴン級の太刀魚を釣ってみてください!