船釣りだけでなく、最近では堤防釣りでも人気のターゲットになっている太刀魚(タチウオ)。アタリの判断の難しさや掛けた後の重量感が魅力の釣りです。
ハイシーズンになると夜に太刀魚釣りをするアングラーで賑わい、電気ウキが夜の海に散らばって綺麗な夜景も楽しめます。
今回は太刀魚の生態から、主に堤防釣りで太刀魚釣りを楽しむ方法をご紹介します。
投稿者プロフィール
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好きな釣り:渓流釣り
初めて釣りにいったのが糸島にある某ヤマメの管理釣り場で、そこから渓流釣りに興味を持ちました。
小さい頃は祖父の自宅が山に囲まれていて渓流に入って直接魚を獲るようなアクティブな子どもでした(笑)
ダイワの某釣り番組が好きでよく見ており、経験は浅いですが知識は少しずつ蓄えています。渓流釣りだけでなく、様々な釣りジャンルの発信をしていきたいと思います。
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目次
太刀魚(タチウオ)とはどんな魚?
太刀魚はサバ亜目タチウオ科の海水魚で、北海道から沖縄まで日本各地に生息しています。
屋久島から南の琉球列島でみられる太刀魚は、「オキナワオオタチ」と呼ばれ、通常の太刀魚よりさらに大きく全長2mほどもあり、体高(帯状の幅)が約10cmという特徴を持っています。
太刀魚は水族館でもよく展示されており、立ち姿が印象的ですが、立っている場合はタチウオは「休止中」で、潮が止まっていて食いがよくないときはこの立ち姿になると言われています。
太刀魚の主食は、イワシや小アジなどの小魚や、カニやエビなどの甲殻類、イカをはじめとした軟体動物です。
太刀魚はエサとあれば何にでも食いつくフィッシュイーター(肉食魚)で、ウツボやシャチと並んで「海のギャング」と呼ばれています。
捕食の際は、狙いを定めたベイトに直線軌道で一気に襲い掛かり、その勢いのまま突き抜けていくためターンするような動きはできません。
また歯が鋭く尖っているため、ベイトに一度噛みついた後は、徐々に食いちぎりながら食べていきます。アタリと同時にリーダーを切られることもよくあります。
直接触ると危険なので、太刀魚を釣る場合にはフィッシュグリップが必須です。
太刀魚はいつ釣れる?時期・時間帯
基本的には1年中釣れますが、ハイシーズンは7月~10月です。
ざっくり夏と秋に分かれ、7~8月頃にまず「夏タチ」と呼ばれる浅場(水深10~20mほど)での太刀魚釣りが始まります。
夏場はショアからも釣ることができ、太刀魚のボイル(小魚を食べるために水面を跳ねること)がみられたり、漁港内の堤防での釣りが盛んになります。
一方、秋~初冬(9月〜11月)にかけては水温の低下とともに太刀魚が沖の深場まで移動し、船での沖釣りが主流になります。
基本的には夜行性で、日中は海中まで光が届くレンジを回遊し、夜になると月明かりだけでなく人工的な光に寄って浮いてくるため、日中よりも夜釣りが最適です。
活性の高まる朝まずめ(4時~6時頃)と夕まずめ(16~20時頃)もおすすめです。
太刀魚はどこで釣れる?フィールド・ポイント
太刀魚はシーズンによって回遊するレンジが大きく変わるため、季節ごとに狙うポイントも変わってきます。
夏(7月〜8月)は堤防を始め、漁港内や常夜灯周辺、桟橋など表層〜中層のショアから釣れるポイントが多いです。
太刀魚はどちらかというと、潮目がはっきりしやすいポイントよりも、潮の流れが緩く水深が最低でも10m以上あるフィールドを好みます。
もちろんエサとなるアジやイワシなどのベイトが回遊しているポイントであるとなお良しです。
夏の堤防や漁港内での夜釣りは、常夜灯の明かりにプランクトンが集まり、それを捕食するベイトフィッシュも同時に集まってきます。
加えて太刀魚は光り物にも好反応を示しますので、集魚灯の利用を含めて、明かりがあるポイントでは波止際に近い足元でも釣れるケースがあります。
常夜灯付近から少し遠くまで、幅広く狙ってみましょう。
秋~冬(9月〜11月)は船や沖堤防から、深層やボトムを狙います。
通しが良くて水深のある沖堤防や、船や磯から100m以上深くなっている場所へ投げ、ボトムを探って奥に潜んでいる太刀魚を誘い出します。
この時期は太刀魚が表層にいない分、警戒心が薄くなっているため、大型の太刀魚が狙えます。
堤防から狙う太刀魚の釣り方
太刀魚の釣り方は、ショアからはキビナゴやイワシをエサに使ったウキ釣りや引き釣り(タチウオテンヤ釣り)、沖や船からだとジギング(ルアー釣り)が楽しめます。
太刀魚のシーズンが始まる春から初夏(4~6月)は、水深のある沖堤防から釣れ始めます。
その後、夏~秋(7月〜10月)のハイシーズンにかけては堤防の中ほどから先端部にかけての釣り座や、漁港内の接岸部分、ゴロタ浜など徐々に足元付近でも釣れるようになります。
ハイシーズンである7月〜10月は、堤防が最も釣れるポイントです。
堤防はハイシーズンだと足元付近までベイトや太刀魚が回遊しやすく障害物も少ないため、釣り初心者が最も釣りやすいポイントですので、最初の太刀魚釣りは堤防をおすすめします。
ショアでの太刀魚釣りに慣れてきたら、ボートジギングで沖に出るのも楽しいですよ。
ジギング入門の記事はこちら↓↓↓
初心者でも簡単!!タチウオジギング入門編!!タックル~釣り方を学ぼう!
まずは釣りやすい堤防からチャレンジしてみましょう。
釣り方➀ウキ釣り
ウキ釣りとはウキを浮かべて魚を狙う釣り方で、ウキの動きによって狙うレンジの深さやアタリなどを判断します。
堤防をはじめとした漁港内での釣りなど、太刀魚のハイシーズンで小魚が近くまで回遊している時期におすすめの釣法です。
またウキ釣りは潮の流れに合わせて仕掛けを流しながらアタリを待つだけなので、ジギングや引き釣りよりもゆったり楽しめ、ファミリーフィッシングに向いています。
太刀魚の場合は電気ウキを使用します。
シーズンになると、特に夜釣りでは海面が電気ウキのキラキラした光景がみられますよ。
太刀魚が餌に食いついてウキが沈む様は最高にエキサイティングで、ウキ釣りの醍醐味です。
ウキ釣りで太刀魚を釣っている動画はこちら↓
ウキ釣りのタックル・仕掛け
太刀魚のウキ釣りに使用するのは、以下のタックルです。
・ロッド:太刀魚専用ロッドのほか、長さが4m以上ある1.5号の磯竿や万能竿、シーバスロッドなどでも代用可能
・リール:2500番前後のスピニングリール
・ライン:ナイロンライン3~5号を100mほど
・電気ウキ:2~3号
・オモリ:中通しタイプの2~3号
・仕掛け:太刀魚用ワイヤー仕掛け
・ハリ:タチウオバリ2~4号
・エサ:イワシやサンマの切り身、キビナゴ
ウキ釣りだけでなく、テンヤ釣りにも最適なタチウオ専用ロッドです。
取り回しの良さや、遠投してもエサ切れしにくいバランスを兼ね備えており、しっかりとフッキングさせる力と掛かりが悪くてもバラさないパワーバランスが魅力です。
オモリ負荷に合わせて、オモリ5-10号には3号-48、オモリ10-15号には4号-48のサイズがあります。
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ウキやオモリ、ワイヤーや針などを揃えて仕掛けを作るのが面倒な場合は、太刀魚用の仕掛けがセットになったものも販売されていますので、ウキ釣り初心者の方はぜひ使ってみてください。
ウキ止めから鈎(ハリ)までフルセットになった太刀魚仕掛けです。
使うエサによってキビナゴ用と切り身用の2種類があります。
ケミホタル50まで入っているという親切っぷり!
自分で仕掛けを組み上げる場合には、動画を見ながらだとわかりやすいです。
ウキ釣りの仕掛についての動画はこちら↓
ウキ釣りのエサ
太刀魚のウキ釣りに使うエサは、イワシやサンマの切り身かキビナゴが多いです。
フィッシュイーターでありながら死んだ魚にも反応が良いため、活きエサでなくても大丈夫です。
太刀魚の食いの良さに負けず、針もちをよくするためには、エサの付け方が重要になります。
・イワシやサンマの切り身の付け方(1本針):切り身の端にチョン掛け→針先をもう一度刺し直す
・キビナゴの付け方(1本針):針先を目に通す→そのまま針先を背の中央に刺す
・キビナゴの付け方(2本針):頭部の近くに1本、魚体の中央よりも尻尾よりに1本刺す
キビナゴの1本針は、真っすぐに立つ(垂直の姿勢)ように、2本針はキビナゴを持ち上げた際に平行の姿勢がキープできていればOKです。
キビナゴの付け方についての動画はこちら↓
ウキ釣りのアクション
釣り場の水深にもよりますが、最初はウキ下2ヒロ~3ヒロ(ウキ止めから針までの長さが3m~4.5m)の長さの仕掛けから始めてみましょう。
※1ヒロ=約1.5mほど
潮の流れに合わせてウキを流し、浅タナ(魚が泳いでいる層で浅い場所、水深の浅いレンジ、シャロー)から探り、アタリがなければ3ヒロ~4ヒロ(4.5m~6m)と徐々に深くしていきます。
太刀魚は食いが荒い割にはアタリが小さめなので、ウキの変化を注意深く観察しましょう。
ウキが何度か沈み始めるのがアタリの合図ですが、ウキが沈んでもすぐにアワセ(フッキング)ないことが重要です。
太刀魚は捕食がヘタな魚で、かつデッドベイト(死にエサ)には慎重になり一気に食わないため、電気ウキの光が見えなくなるぐらいまで沈み込んでからアワセます。
アワセる際には竿を立てて、針が太刀魚にしっかり刺さるようにフッキングしましょう。
しばらく待ってもアタリがない場合は、狙うタナを変えたり、仕掛けを投げたらゆっくりリーリング(巻いて引くこと、ただ巻き)し、ウキを潮の流れに沿って動かすのが◎
釣り方②引き釣り(タチウオテンヤ)
引き釣り(テンヤ釣り)とは、大きなハリとオモリが一体になった仕掛け(=テンヤ)を使ったエサ釣りを指します。
エサを付けた堤防用のタチウオテンヤをリールを巻き、ルアーのように引きながら釣ります。
引き釣りはウキ釣りと比べて広範囲のポイントやタナ(レンジ)を探りやすく、太刀魚が回遊していてタナが定まっていない時期・時間帯、特に朝まずめや夕まずめの沖堤防などで有効です。
引き釣り(タチウオテンヤ)でドラゴン級を狙う動画はこちら↓
引き釣りのタックル・仕掛け
太刀魚の引き釣り(タチウオテンヤ)に使用するのは、以下のタックルです。
・ロッド:太刀魚専用ロッドのほか、長さが3mほどのシーバスロッドや波止竿などを代用
・リール:小型のベイトリール
・ライン:ナイロンライン3~5号もしくはPEライン2~3号を150~200mほど
・リーダー:フロロカーボン3~4号もしくはワイヤーリーダーを1mほど
・テンヤ:堤防用のタチウオテンヤ
・エサ:小さめのイワシやサンマ、キビナゴやドジョウ、タチウオの尻尾など
シマノのサーベルマスターは、テンヤタチウオを含めたタチウオゲームをマスターするために開発された太刀魚専用のロッドシリーズです。
ネジレに強いハイパワーX構造で、ドラゴン級の太刀魚がかかった際でもブレやだるさが軽減され、長時間快適な釣りを楽しむことができます。
BBはタチウオテンヤのエントリーモデルで、初心者の方におすすめです。
8:2の先調子でオールラウンダーな82MH180が扱いやすいです。
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テンヤには陸から使用するタイプ(オモリが軽い)と、船から使用するタイプ(オモリが重い)があります。
堤防での引き釣りはオモリが軽いものを選びましょう。
重さ:20g / 30g / 40g / 50g / 60g
ライトなタチウオテンヤを楽しむのにおすすめです。
エサずれを防止するエサフックがついており、エサをかすめ取るタチウオにしっかりと喰い込ませる食わせ力の高さが魅力です。
さらに重さとカラーバリエーション豊富なところもポイントです。
グロータイプもあるので、日中と夜釣りでカラーを使い分けましょう。
引き釣りのエサ
引き釣り(タチウオテンヤ)に使うエサは、小さめのイワシやサンマ、キビナゴやドジョウ、タチウオの尻尾などです。
切り身でも悪くはないのですが、広範囲を攻める引き釣りではエサをしっかり掛けて探るのがベストになりますので、テンヤにかけやすいよう1匹丸ごとか長めの切り身を用意しましょう。
付け方は、テンヤにぐるぐるっと巻きつけるか、カットしてテンヤにつけ、ワイヤーで固定します。
生きたドジョウを使う場合は、小型テンヤにドジョウを縛り付けるようにしてください。
また太刀魚は共食いをする魚なので、エサがなくなったら釣れた太刀魚を使うこともできます。
イワシやサンマなどに比べると食いつきは劣りますが、太刀魚の高活性時でベイトの回遊が少ない場合には有効です。
ドジョウを使用したテンヤ釣りの仕掛けについての動画はこちら↓
引き釣りのアクション
まずはテンヤを遠くに投げ、着水したらカウントダウンしながらテンヤを沈めていきます。
フォールしている最中に食ってくることもあるので、カウントダウンすることでテンヤが沈んだタナをある程度把握することができます。
底取り(テンヤをボトムまで沈める)をしたらすぐに2mほど巻き上げ、テンヤをそこから少し離した位置から誘います。
太刀魚がいそうなタナを探りつつリールを巻き、ルアーのように引いていきましょう。
アタリがなければ再度投げ、アタリの出るタナを探します。
穂先にコツコツっと小さくつつくようなアタリが出た場合にはまだフッキングしません。
少し待って、穂先がもたれるような重みがかかったら速く大きくアワセて、しっかりテンヤのハリを太刀魚にかけます。
基本はただ巻きで、食いが渋い場合はストップ&ゴー(ただ巻き+止める動作)や、竿を上方向にシャクってジャーク&ステイすることで誘います。
まとめ
太刀魚釣りは、
・ハイシーズンは7~10月
・狙う時間帯はまずめ時や夜釣りが◎
・太刀魚釣り初心者はハイシーズンでの堤防釣りがおすすめ
・ウキ釣り、引き釣り(テンヤ釣り)、ジギングなど釣り方色々
・ウキ釣りは仕掛けを流しながらアタリを待つゆっくりした釣りが楽しめる
・引き釣り(テンヤ釣り)はハリとオモリが一体化したテンヤを使って広範囲に探れる
と釣り方も幅広く、1年中楽しめます。
ドラゴン級の太刀魚が釣れると大興奮でとても楽しいです!
ぜひ太刀魚釣りに挑戦してみてください。