そのほかにもリールを販売してきたメーカーはいくつか存在しましたが、先にあげた国内2大メーカーを打ち崩せるほどのインパクトを残すような存在は、これまでは出てきてはいませんでした。
まあ、これは仕方のないこと。2大巨頭の存在が強すぎるんですね。
そんな高~い壁が存在する国内リール業界?に新たな挑戦者(メーカー)が登場したことはご存知でしょうか?
その名も『G-nius project ( ジーニアス プロジェクト ) 』。
兵庫県の有名プロショップである疑似餌屋さんのオーナーであり、バストーナメントのトップカテゴリー『JB TOP50』でも活躍するバスプロでもある青木プロが立ち上げたブランド。
そんな期待の新鋭ブランドから発売された最新ベイトリールが「 グラビアス 」です。
そんな未知の存在の最新ベイトリールを筆者が自腹で購入し、独自の路線でインプレッションします。
投稿者プロフィール
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好きな釣り:磯上物、底物、SWルアー
私が釣りを始めたのは20台前半と遅咲きの釣り人ですw
一箇所に通いつめるということができずに、半分旅行気分であっちこっちの磯に行くの好きです。
おかげで全く釣果には恵まれず、磯の上でグータラしてばかりです。
釣技は全くダメですが、釣具の査定は絶対的な自信を持ってます。
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目次
ジーニアス プロジェクトとは
まずは販売メーカーである『 G-nius project ( ジーニアス プロジェクト ) 』についてご紹介します。
先にも述べたように、兵庫県の有名プロショップである『 疑似餌屋 』さんのオーナーであり、日本国内のバスフィッシングトーナメントの最高峰、JB TOP50でも活躍中のバスプロでもある青木哲プロが立ち上げたメーカーです。
「釣り人を遊びの天才に!」をキャッチコピーに掲げ、初心者からプロフェッショナルアングラーまで満足してもらえるアイテムを展開しています。
グラビアスとは
ロッドビルダー、カスタムパーツビルダーとしても有名な青木プロ。
そんなプレイヤーとしても作り手としても一流の青木プロが「自分でリールが創りたい」と、3年間の歳月をかけて細部にまでこだわり抜いて創りだしたベイトリールが『 グラビアス 』です。
セット内容はご覧の通り。
リール本体、リールケース、メンテナンスオイル、ステッカー、替スプール。説明書は内容ですね。
ボディーは流線系のフォルムに覆われており、とても攻撃的なデザインとなっています。
メインボディーはカラー塗装のないシルバーのアルミ素材となっており、質感もしっとりして気持ちいい。
(メインボディーのカラーが再販されたものは若干赤みがかった色味に変更されています。仕様変更でしょうか?)
ハンドルは金属製(アルミかな?)ですが、大胆に肉抜きされていることでカーボンハンドル並みに軽量化が計られています。
リール本体の軽さの割には剛性感はしっかりとしており、重量級ルアーの使用やパワーゲームにも耐えられそうですね。
さらに、グラビアスには最初から替スプール(シャロースプール)が付属しており、現にメーカーからもビックベイトからベイトフィネスまでを1台のリールで扱えることが謳われています。
サイズ感はシマノのメタニウムやアルデバランなどと同じくらい。レボのBF8よりは一回り大きめといったところでしょうか。
重量はスペック値では173gとありますが、実測値は172g。
ギヤ比毎にカラーが異なり、ガンメタ(6.6)、ゴールド(7.3)、レッド(8.1)の3種類。
見た目は万人受けする形やカラーリングとは言えないかもしれませんが、個人的にはかっこいいと思います。
各部の詳細をチェック
気になる各部の詳細を見てみましょう。
メインボディーはアルミ素材でしたが、サイドカバーはカーボン製となっており、部分的な軽量化が計られています。
カーボンパーツを使用してはいますが、強く握りこんだ際にも軋むことはなく、強度や剛性の面では心配することはないでしょう。
取り外しはサイドプレート下部のボタンを押してロックを解除しながらプレートを上側にスライドさせると取り外すことができます。
プレートを外すと見えてくるのがグラビアスの注目ポイントでもあるブレーキ。
ブレーキシステムは『PAT.P.”無振動マグネットブレーキシステム”』で、基本構造はアブガルシアのマグトラックと似ています。(ほぼ同じような感じ)
ネオジム磁石の配置方式が異なり、それぞれのマグネットが均等に配されています。
マグネットを均等配置させることによってブレーキのかかりを一定におこなうことができ、ブレーキが強く掛かっている際の振動を最小限に抑えているとのこと。
サイドプレート側のダイヤルノブを回すことでブレーキの強弱の調整が可能で、調整幅は非常に広く、ノブのクリック音から数えると38段階の調整が可能です。(レボBF8は27段階)
ハンドルナットのリテーナーにはラインメモリーが配されており、使用しているラインを表示できるようになっています。
地味な部分ですが複数のタックルを使用する際には便利な機能ですね。
ハンドルノブはグラビアス独自の特殊形状になっており、使用状況によって握り方のポジションを変化できる仕様になっています。
さらに、ハンドルノブシャフトのカシメ部分を一段凹まされており、バックラッシュなどのトラブル時のラインを拾わないようにデザインされています。
レベルワインダーはシマノのメタニウムなどにも見られるようなロングノーズタイプとなっており、ライン放出時の摩擦抵抗の軽減に一役買っています。
個人的に「これは使える!」と注目したのがドラグ部分。
MAX9kgを誇るドラグ力を有しており、さらにはベイトリールながらドラグの効きも繊細でスムーズ。
もともと琵琶湖などでのハードな仕様にも耐えられるように設計されているため、バスフィッシングの他にもヒラスズキなどを対象としたソルトでのベイトプラッキングゲームにも使えるのではないでしょうか。
ベアリングはステンレスの両面シールドタイプとなっており、精度と耐久性のバランスのとれたセッティングとなっています。
グラビアスの使用感は
まず初めに使用したルアーはビックベイトの基準となるであろうジョインテッドクロー175(借り物)。
深溝スプールに25lbのフロロカーボンラインを使用し、ブレーキはMAX10の位置に設定。
オーバーハンドでフルキャストしてみましたがノーサミングでもバックラッシュは無し。
ブレーキの効きが凄まじく、同じ様にブレーキMAXの状態ではアブやダイワのマグブレーキよりも段違いに効きます。
ブレーキをダイヤル6の位置まで下げて再度フルキャスト。
これは強烈にバックラッシュしました…。
鋭く振り抜く様な初速の速いキャストには不向きの様で、アブやダイワのマグブレーキのリールを使用する時の様に、力まずに投げる様な初速を抑えたキャスト方法が適しているかもしれません。
手首のスナップが異常に強い方で、普段は遠心ブレーキ派といった方は初めはブレーキの感覚に戸惑うかもしれません。
スプールをシャロースプールに付け替え、8lbのフロロカーボンラインに変更。ブレーキはダイヤル4の位置に設定してみます。
まずは4インチグラブのノーシンカーをセットしてフルキャスト。
なんの問題もなくスーっと静かに飛んでいきます。
ノーサミングでは着水後に少しだけラインが浮く程度。
低回転時も常にブレーキが効いているため、ダイワのSVシリーズと同等程度にストレスフリーです。
フリッピングでも低弾道で滑らかに飛んでいき、実用的なベイトフィネスの範疇は必要十分にカバーすることが可能です。
しかし、1gのルアーをキャストするなどといった、軽いルアーを投げる限界を追求するといった用途には適していません。
もともとプロの試合で実戦的に使用するルアーウエイトを考慮して設計されているため、ベイトリールで1gのルアーを投げるといったことは考えられていないはずなので当然ですが…。(ベイトリールで投げられる最軽量の限界を求めるのであればダイワのT3エアを買ったほうがいいでしょう。)
まとめ
何かの用途に特化しているといった類のリールではないため「1度投げた際の衝撃的な驚き」といったものは特に感じられないでしょうが、非常にバランスの良い優等生リールといった印象を受けました。
使い込むに連れて徐々に利便性を感じられるリールではないでしょうか。
替スプールが最初から付属しているため、スプール変更だけで使用できるルアーウエイトの幅が大幅に広がるのは、持ち運べるタックルの数が限られるユーザーにとっては非常に強みだと思います。
特にオカッパリがメインといった方や、多くのリールを必要としないライトユーザーの方にはオススメできるリールですね。
「周りの人と違ったリールがいい」「少し変わったブランドのものが欲しい」といった、ヘビーユーザーの中でも現行の道具に飽きてきたといった方にもオススメしたいリールになります。